かくれんぼ、しよ?
◇◇◇マコト
「う……」
なんだったんだ……ユウイチが鬼に近付いたと思ったら突然倒れて……おれも、意識を失った。
かと思えば、カンノさん――いや、霧島賢司の記憶が頭に流れ込んできた。
目を覚ますと、ユウイチも気が付いたようで、起き上がっている。鬼の姿はない。
「ユウイチ!縄、解いてくれ」
「あ、ああ……悪い!」
ユウイチが駆け寄り、縄をナイフで切ってくれた。縛られていたところが赤くなっていて、少し痛む。
「なあマコト、おれ、今、カンノの記憶を見てたんだけど……」
ユウイチも、同じものを見ていたのか?
「おれもだ……同じものか」
「……あれってさ、カンノ……霧島賢司が悪かったのかな」
……何を言っているんだ、何人も殺したような奴が、悪くないわけがない。それに――
「おれをここに連れてきて縛ったのはカンノさんだ……ここの、死体も、吉越さんも、きっとあの人が――」
言いかけた時、鬼に破壊された扉のあった場所に、月明かりに照らされた人影が現れた。
「ご名答」
「カンノ……!」
薄い笑みを浮かべるカンノさんの手には、引きずるように巨大な肉切り包丁が握られている。
「お前ら、おれの過去を見たな?」
「やっぱり、霧島賢司はカンノさんか……記憶がないって言ってたじゃないか?」
「嘘をつくのは苦手だったんだが――信じてくれてたんだな、礼を言おう。遙か昔におれも、おまえらが見たであろう光景は見せられている。その時にすべて思い出したさ」
最初から、嘘をついて隠していたのか。
「おい、なんで吉越さんたちをこんな風に……殺したりしたんだ?おれは、おまえがただの人殺しには思えない!」
ユウイチが言った。
……ただの人殺しには思えないだって?カンノさんが持っているものを見ても、そんなことを言うのか。
カンノさんはきっと、おれたちも、吉越さんたちのようにする気だ。