点零
>こんにちはー

彼が入ったのは、
意図せず、
席料800円という、
そこそこの碁会所だった。

誰かが迎え入れてくれる訳でもなく、
どの人が
碁会所を運営しているかが
わからなかった。

>おや、マスター、
新しい人が来たよ!

元気そうなお年寄りが、
彼に気づき、
彼はようやく何かしらの
案内を受けることになった。


>初めてですか?

そう問いかけてきたのは、
マスターと呼ばれる、
60前後の男の人だった。

>はい、インターネットで
囲碁を勉強していて、
初めてここに来ました。

>何段くらいですか?

>いえ、人とは打ったことはなくて、

>インターネットでも
相手は人間でしょう?
あの人と打ってみてください。

>あの、料金は?

>800円です。

一日中囲碁を打てて、
800円というのは、
囲碁好きにとっては、
そう高くもなく、
だからと言って安いわけでもなかったが、
それなりに繁盛している
この碁会所は
やはり、
初めての彼には、
期待の方が多かった。

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