珈琲の香り
涼さんの爆笑、間違いなし!

涼さんをゲットするどころか、ドン引きされるのがオチ。

それに………


「そんなの着たらバイク乗れないじゃん!」

「乗せるわけないでしょ?女の子らしい格好させて!今日は歩きよ!歩き!!」


………鬼だ。

鬼がここにいる……。

私からバイクを取り上げたら、何が残るって言うの?

自分で言うのもなんだけど、バイク取り上げたらなんにも残らないじゃない!


「あ……歩るけない距離じゃないけど、こんな格好して?無理!絶対に無理!!」

「無理!じゃないの!!するのよ!」

恐ろしいほどご機嫌な桜は、次々と服を選んでいく。

そのすべてが白やピンク。

花柄やレース素材のものばかり。


「いっちゃん。女の子はね、可愛くなる義務があると私は思ってるの。動きやすいジーンズやパンツもいいと思うけど、たまにはおしゃれしないと、自分が女だって忘れちゃうよ。」

「いいよ。忘れても…。っていうか、忘れてたもん。」

「嘘つき。忘れてないじゃん!ちゃんと蒼くんに憧れて、今は涼さんを好きになってるじゃない。女だってこと忘れてるなら、恋なんてしないでしょ?」

「そりゃあ……そうだけど……。」

< 123 / 174 >

この作品をシェア

pagetop