桜が求めた愛の行方
ベイサイドホテルのブライダルフェアーを
週末に控え、今日は本番と同様の
リハーサルが行われている。

さくらもニールと共に衣装を着て、
京子の最終チェックを受けていた。

『あーもう!さくらちゃんはいつ見ても
 完璧だわ。そしてニールさん……』

ニールに向けられる、うっとりした
熱い視線は、京子だけのものじゃない事に
さくらは気づいていた。

『ベイビーどうかな?』

『完璧なあなたの隣に並ぶのなんか
 本当は嫌よ!』

『最上級の誉め言葉だ、スイートハート』

『もう!』

『京子さん、約束忘れないでくださいね』

『ええ、もちろんです!』

ニールが小声で京子に言ったのをさくらは
聞き逃さなかった。

『約束?なに?』

『さっさくらっ、こっちの話だから・・・・』

『ニールさんたら、さくらちゃんとの
 写真を記念に欲しいんですって!
 もう!羨ましいわ、私もこんないい男に
 そんなこと言われたい!』

『ああ……京子さん……』

『ニール……』

『ベイビーそんな顔をしたらせっかくの
 ドレスがっ……』

さくらの口端がひくひくしているのを
見て、ニールはじりじりと後すざる。

『写真がどのように使われるか、
 私がわからないと思って?』

彼女の冷静な声ほど恐ろしいものはない。
ニールはさくらに向かって、両手を見せた。
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