花嫁に読むラブレター

 マイアはレナータから視線をそらして、努めて冷たい口調で言い放った。

「そうしてちょうだい。そういう冗談は好きじゃないわ」

 マイアの背後で、レナータが頭を下げるのが気配でわかった。

 続けて部屋から退出する。完全に一人きりになって、マイアはようやく深い息を吐き捨て、手紙が置かれた机に向き直った。

 どんなことが書いてあるのだろう。

 筆跡は、よく見慣れたステイルのもの。

 心を落ち着かせるために、わざと食べなかったクッキーをひとつ食べる。だが、あんなに美味しかったはずなのに、今のマイアにはすっかり味がわからなくなっていた。
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