花嫁に読むラブレター
「そうなんだ。よかったね、マイアさん。ところで、夕飯はもう済ませた?」
「ううん、まだよ」
「そうか……。どうしようかな、ぼくは先に眠らせてもらってもいい?」
見れば、どことなくユンの顔はいつもより疲労が濃く出ている。
お城務めの後は、口数も少なくなり、ベッドに横になれば数を数える隙も与えず眠ってしまう。今日あった出来事を話そうと思っていたマイアは、やはり寂しい思いもあった。それに、こうして同じ床で眠るようになってしばらくたつが、手を握ることも口づけさえもまだ交わしていない。
ひとりになって、ステイルのことをつい思い出してしまうのも、そんな不安からきているのかもしれない。
本当に自分のことが好きなのかしら? もしかしたら、まだ数日しか一緒に過ごしていないというのにすでに嫌なところが目につくようになってしまったのかもしれない。……早まった決断で結婚してしまったのではないか。そんな後悔にも似た思いが、胸の中でぐるぐる渦巻いている。
けれど、もう後戻りはできない。
ユンに嫌われて、独りで生きていくなんてできそうにない。
マイアは、胸の内を隠して笑顔で頷く。
「疲れたでしょ? 明日はお休みなら、わたしの焼いたクッキーを食べて欲しいの。フィーネさんと一緒に焼いたのよ」
その後、数分の会話を交わしたあと、やはりユンはマイアに触れることなく深い眠りに落ちていったのだった。