花嫁に読むラブレター
「ごめん、わけがわからないよね。……マイアさんは一般の方だったから、それをよく思わない人もいるんだ。本当は黙っておこうと思っていたけど、知った上で警戒心を持ってくれたほうがいいのかなって……。母さんもね、実は一般人だったから、よく狙われていたんだよ」
「フィーネさんが……?」
驚いて目を丸くさせているマイアを見て、ユンは苦笑を浮かべ頷いた。
「そう。王族にふさわしくないってね、ただそれだけの理由。くだらないでしょ? 本当なら、みんなに祝ってもらって、ちゃんとした結婚式をして……。人並みの幸せをマイアさんにあげたかった」
ユンが目を伏せ、再び目をあけたときには、縁に涙がたまっていた。
「街に出ると、ぼくのことを知ってる人にたまに会ったりするんだ。決まって勘違いされる。華やかな世界の住人だって、ね。本当は、どこよりも暗くて常に死がつきまとうような、牢獄と変わらない場所なのに。
マイアさんが結婚を受けてくれたときだって、本当はとても嬉しいはずなのに、心のどこかで後悔していたんだ。何も知らないだろう女の子を闇に突き落とすような真似をしているって。
だから、――逃げるなら今だよ。まだ間に合う」