花嫁に読むラブレター

 話し終えると、ユンは拳を握りしめながら頭を深く下げた。

 前髪が風に揺られている。その下にある瞳も表情も、何もかも隠されて見えない。しかし、膝の上に置かれた拳が微かに揺れているのを見て、マイアは胸に棘が刺さったような痛みを覚えた。

 後悔していた。

 ユンの言葉が頭の中で何度も繰り返される。

 自分の身を案じての後悔だとわかっていても、胸の痛みは治まらない。胸の中に大きな風船を抱え込んでいるようだった。空気を入れすぎた風船が、マイアの小さい体を圧迫している。頭の中が一瞬、真っ白になり、どうやって今まで呼吸をしていたのか忘れてしまったかのように、苦しかった。

 泣きだしてしまいそうな気持ちをぐっと堪えようと、血が出そうなほど強く唇を噛んだ。続けて息を大きく吸い込み、ゆっくりと吐き出した。

「ユン。……あなたはわたしを捨てるの?」

 地面を見つめていたユンが、勢いよく頭を上げた。
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