花嫁に読むラブレター
廊下を歩くマイアの足取りは重かった。
もう何度目か覚えていないあくびが漏れ、落ちそうになる瞼を必死に押し上げる。
今すぐシーツにくるまって眠ってしまいたい。一日中、外に出ていたので汗を流すために湯船に浸かりたい気持ちはあっても、身体が拒んでいる。もしこのまま湯あみしてしまったら、湯に沈んだ体をフィーネあたりに引き上げられる羽目になるだろう。そんな恥ずかしい思いはしたくない。
今にも倒れそうなほど、ふらふらな足取りでなんとか自室の前まで辿りつくも、マイアはハッと立ち止まった。
誰もいないはずの部屋の扉がわずかに開いて、中から明かりが漏れている。
ユンはみんなが帰ったあと、そのままクラウスと共にお城に向かったはずだ。それにユンであるならば、変なところで几帳面な性格であるため、扉はきっちり閉めておかなければ気が済まない。何をするにも大雑把なマイアは、中途半端に扉を開けたままだったり、飲みかけのグラスを置いたまま違うことを始めたりすることが多々とあった。そのたびに、ユンを苦笑させていた。
眠気が一瞬にして吹っ飛んだ。
心臓がばくばくと暴れだし、恐怖で足が震える。