花嫁に読むラブレター
「何しているの、ってわたしは訊いているのよ」
冷静さを欠いてはいけないとわかりつつも、怒りで声が震える。その中に、手紙を見つけられたことへの羞恥心を自覚した。
他愛のない手紙だ。日々の様子を綴っただけの。けれど、ステイルからの手紙には、マイアの羞恥心を煽り、それを必死に隠そうとするかのような怒りを惹起させるものがたくさん詰まっている。
そして、レナータは鋭くマイアの隠している気持ちを悟ったのだろう。
勝ち誇ったような笑みを浮かべた。その表情に、今まで彼女に見ていた控えめでたおやかな印象は一切残っていなかった。
「マイアさん。あなた、ここで生活するのが辛いのではないかしら」
マイアの言葉には答えず、手にしていた手紙を、挑戦状でも叩きつけるかのようにマイアに返してきた。
ひったくるようにして奪い、マイアは紙がくしゃくしゃになるのも厭わず握りしめる。
「あなたわかりやすいってよく言われない? 初めてあなたにその手紙を渡したとき、自分がどんな顔をしていたかご存知? 知らないでしょう。とても嬉しそうな顔をしていたのよ。まるで恋人からのラブレターを貰った少女のようにね」