花嫁に読むラブレター
だから、あのとき訊いたのよ、とレナータは加える。
昔の恋人からの手紙か、と訊かれたときの光景が、マイアの瞼の裏によみがえる。レナータの含みある言葉も、その表情も。それまで彼女に対して、温情に溢れた女性という印象しか抱いていなかったマイアが、初めてレナータに不満を覚えた瞬間。
「図星で何も言えないのかしら? ねえ、あなた、もう帰ったらどうなの。目障りなのよ。どうやってユン様に取り入ったのか知らないけども、泣くくらい恋しいのなら、ユン様を返してちょうだい」
マイアを見据えるレナータの目は切実で、どこか懇願するかのような強い想いが込められていた。
(――ユンのことが好きなんだ……)
気づいた瞬間、なぜかレナータに対する憎しみが、ほんの少し薄くなった。
身に覚えのある感情だったから。