花嫁に読むラブレター

 けれど、マイアはユンを選び、ここに来た。

 そのことを知ったときの絶望を想像すると、胸に切なさが沁み渡る。けれども、今マイアが心から傍にありたいと願うのはユンなのだ。レナータの感情に同情する気持ちはあっても、譲る気はない。

「……泣いたのは、別に恋しいからじゃないわ。それに勘違いしないで。わたしはユンが好きでここにいるのよ。絶対帰ったりなんかしないわ」

 静かに、しかし強い光を目の底にたたえたマイアが言うと、レナータは眉を吊り上げ何か言いたそうに口を開いた。だが、それより先にマイアが続けた。

「とにかく、今日はもう出ていって。信じられないくらい眠いのよ」

 まだ何か言いたげなレナータを押し出すように背中を押し、強引に扉を閉めた。

 しばらく扉の外の気配を窺っていたマイアだったが、足音が遠ざかっていくのを確認すると、倒れるように寝台にもぐりこんだ。枕に顔を伏せ、目を閉じるとさまざまな思いが浮かんでくる。しかし疲れた身体に抗うことはできず、まるでそれらを忘れようとするかのように眠りに落ちていった。
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