花嫁に読むラブレター
ステイルの死を知ってから一週間ほど経ったある朝、いつものようにマイアの部屋まで朝食を持ってやってくると、侍女は明るい声で言う。
「マイア様、最近ユン様のお薬の量が減ったみたいですよ。だから起きていられる時間も増えたんですって。それで、ユン様から伝言を預かってきました」
マイアは顔を上げて侍女の顔をまじまじと見つめた。
マイアが落ち込んでいるのを知って、励まそうとしている笑顔ではない。本当に、ユンの調子がいいのかもしれない。
このところ、心の中に風が吹いているように、ずっと寒々しい気持ちでいたマイアだが、ようやく春の日差しを感じ蕾を開かせる花は、こんな気持ちなのかもしれないと思った。
マイアもつられて笑顔になる。
「先ほどお部屋にお邪魔したとき、ちょうど起きていらっしゃったので、この後時間があったらお会いになったらいかがですか? なんでもお話したいことがあるって仰っていましたよ」
テーブルに、朝食のパンとまだ湯気のたっているスープ、数種類のフルーツと紅茶のポッドが慣れた手つきで置かれていくのを見ながら、マイアはゆっくり頷いた。