花嫁に読むラブレター

 頷くマイアに、ユンは続ける。

「あそこに、家を建てた。だから、マイアさんは暫くそこで暮らして欲しい」

 答えないマイアに、さらに続ける。

「ここにいるより、マイアさんにとってずっといい」
「――ユンは?」

「ぼくはここにいる。……もしかしたら、このまま死んでしまうかもしれないし」

 最後の言葉を聞いた瞬間、マイアは椅子を蹴飛ばし立ち上がった。大きく歪めた眉の下、ぎらぎらと強い怒りを込めた目が、ユンを射る。

「なんでそんなこというの? ステイルがいなくなって、ユンまでわたしを置いて、独りにしようっていうの!?」

「……マイアさんは、独りになりたくなくて、ぼくと一緒にいるの?」

「違うわ!」


 ぽろぽろと涙があふれ、そのたびに袖で拭った。

 違う。違う。違う。

 だけど、本当にそうなのか、自分でもよくわからない。ただ、ユンと一緒にいたいと思うだけでは駄目なのだろうか。ステイルのことばかり考えていた自分には、もうその資格はないのだろうか。わかってもらいたいのに、その方法がわからなくて、涙がこぼれた。

「……ごめん、ひとりになりたいんだ」

 ユンの言葉を聞いた瞬間、マイアは勢いよく部屋を飛び出した。
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