花嫁に読むラブレター
「ねえ、カーヤ。もしマイアさんに捨てられたら、ぼくのこと面倒みてくれる?」
「嫌に決まってるじゃないですか」
カーヤは胸を張って言う。
「こんな腑抜けた人、面倒臭いったらありゃしません。それよりも、早く健康になって、マイアさんを迎えにいってあげたらどうですか」
「そうだね。……うん、そうだ」
死んでしまうかもしれない、と言ったときのマイアの表情が瞼に浮かぶ。泣き出しそうな、それでいて吹き出す怒りを抑えることなく叫んだ。あのとき、マイアはきっとユンが本当に死んでしまったときのことを咄嗟に想像したのだろう。それであの表情。そう思うと、なんだか嬉しかった。
マイアの中に、自分は確かに生きている。
これからも、ずっと生かしていきたい。
「なんですか、急に、にやにやして気持ち悪い……」
「なんでもない。早く元気にならないとね」
窓の外を見ると、暖かそうな陽射しが木々に降り注いでいる。
春だ。ユンが一番好きな季節。誰よりも大好きな、マイアの笑顔を思い出す季節だった。