花嫁に読むラブレター

 一人で生活を始めて一週間ほど経った頃、マイアの調子が悪くなった。

 なんだか熱っぽい。そう感じた次の日にはもうベッドから起き上がれなくなっていた。自分の額に手をあてると、熱せられた鉄のように熱い。喉もからからに乾き、唾を呑みこむたびに針を飲んでいるかのように痛かった。息苦しさに体制を変えようとすると、吐き気が込み上げ涙が滲んだ。全身が、鞭打たれたように痛み、目を開けても視界がかすんでよく見えない。

 風邪か、それとも流行病か。

 自分では判断できなかったが、不調だということはすぐにわかった。

 アルヴィオンからの使いは昨日来たばかりだ。今日も明日も、きっと来ない。

 食欲も出ないが、それでも何も食べないわけにはいかない。何か口にしなければ、状態は悪くなる一方だろう。頭ではわかっていても体は正直で、石にでもなってしまったかのように動かない。

 そのときだった。

 きぃ、と入口の扉が開く音がして、マイアの心臓が跳ねた。

 足音が近づいてくる。
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