花嫁に読むラブレター
家の外からヘレンの声が聞こえ、マイアは干したばかりの洗濯物を畳む手を止めた。
あの騒ぎかたは、マリーおばさんかブラウンおじさんのどちらかが訪ねてきたのかもしれない。
しばらく手を止めたまま、マイアは目を閉じた。
ステイルに頼んで、アルヴィオンまで戻った日のことがよみがえる。
ステイルが生きていると知った喜びのあとに生まれたのは、抑えようのないユンへの愛しさだった。会いたい。今すぐ会いたい。
戻ってきたばかりのステイルは、街まで急いで戻り馬車を手配してくれた。不調のマイアをひとりで戻らせるのには不安があったのか、それとも彼自身もユンに会いたかったのかはわからない。二人で馬車に乗り込み、その日の夜遅くにアルヴィオンに到着した。
迎えてくれたフィーネはもちろん、誰よりも驚いていたのはユンだった。命を落とした者が生きていたという事実よりも、マイアと二人でいることに、目を奪われている様子だった。マイアが意識を手放す直前、ステイルがユンに言った。「会いたがってたから連れてきた」の一言を聞いて、マイアの意識は完全に途切れた。その後、ステイルはすでに城から姿を消して、なぜか泣きながら看病してくれるマリーおばさんが傍らにずっといた。