花嫁に読むラブレター
ぼんやりと、雪の野原を眺める。
人の気配すら雪と一緒に閉じ込めたかのような、静かな夜。足跡もない雪の上を見つめていると、自分だけがここにいる。そんな錯覚に陥る。
「寒い……」
今初めて気づいたとでもいうように、ぽつりと呟き体を抱きしめる。
「マイア!」
突然飛び出してきた気配に、マイアの肩が跳ねる。
振り向くと、マイアと同じように部屋着のままの恰好で、ステイルがすぐ隣に来ていた。ステイルの吐く息が白く、暗い夜空に昇っていく。
「なんでそんな薄着で来たの?」
「マイアだって同じじゃないか」
ベンチに積もった雪を丁寧に払い落とすと、ステイルは唇を青くしながら言った。指先が少し震えているようにも見える。きっと寒さを我慢して来てくれたのだろう。冬になると、なかなか外に出ないステイルは、寒さに弱い。それでもこうして、自分を心配して追いかけてくれたのだ。