花嫁に読むラブレター
ステイルの声は淡々としていて、普段の彼と何ひとつ変わらない。その中に、ユンに対しての嫉妬やマイアに向かう恋慕の情が少しでも見えていたら。
これほど意気消沈しなかっただろう。
それでも、マリーおばさんの言葉がマイアを思っているからこそ、というのならば、ステイルはどうなのだろう。ゆっくり決めればいい、と優しくマイアの意思を尊重するふうを装いながら、本当は少しでも――ちょっとでも自分のことを好きだと思っていてくれているのでは。そんな期待を一切抱かないわけではない。対等の優しさの中に、ほんのちょっとだけ、違う思いがあってくれたら。恋心を知られているとわかった今でも、思い上がった気持ちは熱を増すばかり。
けれど、蝋燭の火を消すように、ステイルの声音はマイアを冷静にさせた。
「本当の親子じゃないけど、おばさんは自分の子供のように思ってると思う。じゃなきゃ、あんなにガミガミ言ったりしないよ。母親なら、やっぱり幸せに暮らして欲しいって思うんじゃないかな。僕にはわからない感覚だけど、ユンさんがマイアと結婚したいって言ってくれたときは嬉しかったと思うよ。孤児同士じゃ結婚できないからね。――だから怒らないであげなよ」