花嫁に読むラブレター

「マイアさん、手紙ありがとう」

 ユンは丁寧に頭を下げた。

 ぼんやりとユンの後頭部を見つめていたマイアは、はっと気づいた頃にはユンの澄んだ湖と同じ色の目と視線が合った。

 予期していなかった、なんともいえない気持ちが急に沸き起こり、マイアは居た堪れなさから目を逸らした。そうしたことで、さらにマイアの中に罪悪感が生まれた。


 ――あの夜。

 決めたというのに、まだわだかまりが自分の中にあるというのだろうか。

「あの、それで、ぼくと結婚したいって――本当にいいの?」

 どんどんユンの声は小さくなっていき、最後は聞き取れないほどになった。

 また、ユンの後頭部を見つめる。

 俯いてしまったユンの表情はマイアが窺い知ることはできないが、それでもいつものように微笑んでいないのだけはわかった。彼の沈んだ声が、それを教えてくれている。
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