花嫁に読むラブレター
「いつも一緒になりたいって気持ちはあっても、ぼくとマイアさんは恋人でもなんでもない。だからぼくの気持ちを伝えることも、結婚のこともいっさい伝えられなかった。……恥ずかしいってだけなのかもしれないけどね」
マイアは目を丸くし驚いた。
ユンの態度から嫌われているとは考えにくかったが、それでもそんなふうに思っていてくれているとは想像しなかった。自分に愛を囁かないのは、すでに思いが枯渇してしまっているものだとばかり考えていた。結婚を口にしないのは、そんなマイアを娶るより友として付き合っていくのを選んだのだ、と。
ユンはマイアの濡れたまつ毛が何度もまたたくのを見ながら続ける。
「あとね、これを言ったらマイアさんに怒られるかもしれないけど、ぼくが初めてマイアさんに会ったのは、あの丘の湖じゃないんだよ」
「え?」
マイアの表情は一転して、きょとんと呆けている。
「ミリアさんのお店で、マイアさんのこといつも見ていたんだよ。知らなかったでしょ?」