花嫁に読むラブレター
「もうすぐ十七だもの。それに、もうおばさんに起こしてもらうわけにもいかないでしょう?」
誇らしげに胸を張った。けれど、それは目尻にたまった涙を隠すための虚勢だった。
「じゃあ、あんたに褒美をやらなきゃね」
おばさんは一度入口から姿を消すと、すぐに戻ってきた。両手に真っ白な何かを抱えながら。ふわふわとおばさんの動きに合わせて揺れる布。窓から差し込む光が薄い生地を照らすと、透き通って抱え込んでいるおばさんの皺だらけの指が見えた。
「それ、どうしたの……?」
「あたしが作った服だからねえ、不恰好なのは許しておくれよ。さすがに今まで着てたボロ服で嫁に行かせるわけにはいかないだろう」
ほら、と差し出された服をひったくるように受け取ると、マイアは一度広げて見つめ、今度はぎゅっと抱きしめた。広くあいた胸元にびっしりとつけられた小さな石が頬にちくりとした。
「そんなに抱え込んだら皺になるよ。ほら、さっさと着ちまいな。着たらあんたの髪もまとめてあげるから。ほら、早くおし。――なに泣いてるんだい。まったく……」
おばさんは呆れたように、いつもと同じ調子でため息をついた。けれど、マイアが顔を上げて見たおばさんの顔は、いつも以上に笑顔だった。