花嫁に読むラブレター

 マリーおばさんが縫ってくれた服は、少し歩きづらかった。

 いつも着ている服よりも胸元が大きく開き、石段を降りるたびに自分の胸元がちらちら見えて恥ずかしかった。ほんのわずか動くだけで、ひらひらと羽が舞うように広がるスカートも、髪を上げてしまったせいで露わになったうなじも。自分の後ろに続いて歩くユンの視線を感じてこそばゆかった。けれど、それ以上に嬉しくもある。絵本で昔読んだお姫様が着ているドレスに似た、真っ白な服は、ドレスとは程遠いけれども、マイアを興奮させるには十分すぎるほど立派な服だった。何より着ているのかわからないほど軽い。それでも胸元で光る石を見れば、どんな宝石よりもマイアには価値があり、そして重く感じられた。

 見事なまでの青空だ。

 石段の途中でマイアはふと立ち止まり、空を仰ぐ。直視できないほどの強い光がマイアの足元までをも照らした。そして目を細めて、再び歩き出す。朝の冷え込みが嘘のように、歩くマイアの額にうっすらと汗を滲ませた。
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