オリガク! -折舘東学園の日常的(恋)騒動-

暇なら並んで歩きゃあいいのに。


背中が侘しいことこの上ないんだが、まさか俺を粗大ゴミ扱いしてバツが悪いのか?
なんだその変わり身の早さ。クソ可愛いな。


ここ最近のバンビ先輩は異常に可愛い反応をする。あとエロい。赤面されると誘ってんじゃねえかと理性の栓が吹っ飛びそうになる。


だから気を付けてくれと言ったというのに。


「俺は本音しか吐かねえし、褒めてるつもりなんだけど、伝わってねえってことか?」


バク相手だったから話半分で聞いちまったけど、本気でからかってると思われてんだいか。


俺、嘘はつかねえって言ったよな?


「褒める=好感触には繋がるだろうけどなー。モテ人生のバンビ先輩相手に褒め言葉並べたって、何も出てきやしねえべ」

「罵声と蹴りは飛んでくるけどな」

「バンビ先輩がそんな反応してくんの、トラと俺くらいじゃね? 特別っぽいべや」

「まあバクより好かれてる自信はある」

「うっぜえええ!! あーやめたやめた。粗大ゴミに助言してやろうなんて頭どうかしてたわ」


いつもどうかしてんだろーがよ。


「バーンビ先っ輩! ゴミなんか探してないで休憩しーましょっ! そうしましょっ」


チッ、と。バンビ先輩に駆け寄るバクに思わず舌打ちする。どっからそんな高い声が出るんだ。


「まだ1時間も経ってないし、このまま戻ってもゴーレムにごしゃかれて追い返されるだけっすよー」


ふたりに追いつくと、休憩しようとしているらしかった。
< 120 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop