だってキミが好きだった
ミルクセーキが入ったコップを掴んで口に持っていき、そしてミルクセーキを口に含めば甘い味が口に広がる。
マスターお手製のミルクセーキはやっぱり美味しい。
「菫ちゃんは中身はクールだけど……なんて言うか、やっぱり好みは甘いものだよね。顔もふわふわした可愛い感じだし」
「……つまり顔と性格は合ってないけど、顔と好みは合ってる、ってことですか?」
「ははっ、そういうこと」
まぁ自分の顔が可愛い寄りなのは分かってたけど……。
言われることも“美人”じゃなくて“可愛い”だし。
性格と顔のギャップが……って言われることも多い。
だけどそれと好みは関係あるんだろうか?
「……今日、お客さん来ないんですね」
「あぁ、今日は一応休みってことになってたからね」
「……なのに何で私達が……まさか」
「千歳くんに頼まれたんだよ」
「……なんだかすみません、千歳さんが」
「ははっ、良いよ良いよ。キミは相変わらず千歳くんの保護者みたいだね」
「千歳さんがいけないんですよ」
「まぁ彼は少し……うーん、やんちゃだからね」
「やんちゃじゃすみません」