だってキミが好きだった
「……私は、ただ静かな場所に行きたかっただけだよ」
「……うるさいから?」
「……まぁ」
「ふーん」
ふーんって、誰のせいだと思ってるんだ。
アンタのせいだぞ、アンタの。分かってるのか。
「……アンタ、顔に出るタイプ」
ボソリと呟いた言葉は、この静かな図書室ではよく聞こえる。
「……」
『菫、顔に出るタイプ』
過去の彼の言葉が、脳裏を掠める。
……本当に、言うことが同じだ。
あーあ、嫌だなぁ。嫌、だなぁ。
思い出したく、なかった。
「……そ、っか。やだなー」
もう、思い出さないって決めたのに。