花蓮【完結】
制服に身を包むと、あたしは部屋に向かう。


部屋では三人がタバコを吸って世間話をしていた。



…なんか、行く気失せるんですけど。


一緒にそこに加わりたかったが、学校に行かないと出席日数足りなくなるしな。


「行こうかね、諸君」


そう声をかけると、

「はいはーい」
「は~い」
「はい!」

一人一人返事をした。



ことはあたしの後ろ、菜々美は自分の、佐緒里も自分のバイクに跨がった。


そのまま学校へと向かった。




学校に着いて、バイクを置く。
私と佐緒里の向かうは屋上。



うちの生徒でない菜々美とことは完璧浮いていたし、目立ち過ぎていた。


ことは彼氏んとこ行くと言いながら、あたしらと別れる。

その後ろを拓斗を好きな菜々美が着いて行く。

その姿を目を細めて見る。



ああ、青春だねえ。


拓斗のクラスにことの彼氏がいるのか。


後で覗かないと。


佐緒里と顔を見合せて頷いた。
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