花蓮【完結】
「なーにこれ」


「しゃーねーだろ、いつも電話なんだから」


「それにしても、可愛くなさすぎー!」


「可愛さ求めてないし」


「今度でえとしましょおねええ、はあと!ぐらい可愛くないと」


「はああ??気持ち悪い」





大袈裟に溜息をついてみせる佐緒里。

いや、佐緒里の言うことをしたら可愛い女の子でしょうよ。



でも、あたしはそんなんしたいとも思わない。





別にそれで嫌われるなら、そっちのがいい。





「麻美、まじ勿体ないなあ。あたしが麻美なら男たぶらかしまくったね」


「あたしの姿を想像しないでくれ」


「あ、琴子の彼氏見に行こうぜ」


「いいね」






あたしと佐緒里は拓斗の教室に向かった。



授業中にも関わらず、拓斗とことと、菜々美ともう一人の男がかたまって話している。


その男がことの彼氏だろうな。



だって、ことがべったりしてる。

その男も満更でない感じ。
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