花蓮【完結】
「ことー菜々美ー」


「井上さん、高梨さん今授業中です!」


あたしが呼ぶのを先生が注意する。




あ、あたしが井上で高梨が佐緒里ね。



あたしらに注意する前に、注意しなきゃなんねー奴二人いんだろ。


あたしは先生の話を無視して、四人のところへ向かった。




「こと、そいつが彼氏?」


「そー達也ってゆうの、たっちゃん~」


ことが甘い声で、達也と言った男に腕を絡めた。



「よろしく、琴子から井上さんの話は聞いてるよ」


腕を組むことに笑いかけながら達也は言う。


「げ。話ってなんだよ」


「色々」


「てか、井上さんって、彼真面目?」


「あほか、こいつも総神だ」




あたしが尋ねると、拓斗が突っ込みを入れた。

この爽やかそうな彼が…?

黒髪短髪で、いかにも好青年って感じ。






へーへー。

こんな奴も総神ねえ。
色々な奴いるもんだねえ。

世の中、やっぱりわからないことだらけだね。
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