花蓮【完結】
廊下を歩いてたあたしは教室でもなく、屋上でもなく、昇降口に向かった。



このままフケる!


今日はやっぱり帰って寝る!



「麻美、フケんの?」


「うん、眠い」


「まじ、私も寝たい。麻美ん家行く」


「うぃ」




あたしと佐緒里はバイクに跨がって学校を出た。

家に着いたあたしはバイクを止めると、玄関に見覚えのある靴を見つけた。

…母親のだ。
その隣には大きめの革靴。



……あーまた男か。
それに軽く舌打ちする。



「男いるみたいー」


「まじかー」



あたしと佐緒里は気にせず、自分の部屋に入るとさっきのことと菜々美の話をしていた。


だけど。
薄い壁だと、その行為は丸聞こえ。


合間合間に聞こえる、母親の女の声。


気まずそうにしてる佐緒里。
あたしはずっとしかめっ面。





だけど。



遂に限界が来たあたしは。





扉を開けて、思い切り壁を蹴って。



「昼間っから気持ちわりーーーーーーーんだよ!!!」




そう、叫んでいた。

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