二重人格神様





―――――…
――――…





そして、1時間後――…





「ふう…気持ち良かったぁ」



あれから、無事に入浴をすまし私は濡れた髪の毛を軽くまとめあげ、廊下に出ると外にはしっかりとアレスが待っていてくれた



時間が掛かるから、適当な時間になったら来てと言ったんだけれど


昨日のことや、フェイランさんと海鈴さんに頼まれたから、それは出来ないと断られ…結局、こうやって待っていてくれたのだ


「待ったよね?ごめんね」



「お構い無く。スッキリされたようで良かったです」


「うん、スッキリしたよ!この世界のお風呂って、広いから結構好きなんだ」


肩に掛けたタオルで頭をふくと、アレスはスッと私の前に数枚の紙を差し出す


「ん?」


「では、スッキリした所で夕食の準備をしたいのですが、その前に海鈴様がお呼びです」


え……海鈴さんが?


その名前に髪の毛を拭く手をとめる


「海鈴さん…屋敷に戻って来てるんですか?」


昨日の夜からいなくなり、朝になっても帰って来てくれなかった


グレン君のことで、頭の中から忘れていたけれど…


海鈴さんは…大丈夫なの?


そんな疑問にアレスは変わらぬ顔で私の手を握り紙を握らせる



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