二重人格神様
そう思い、グレン君に気づかれないようにドアに手をかけ扉を開ける
「アレス、ごめんね…お待たせ…って…え?」
ドアを開けた先にいた人物に思わず胸が高鳴る
だ、だって……
「…海鈴、さん?」
「…お疲れ様。待っていたよ」
そこには、窓際に座り月を眺める海鈴さんがいた
な、なんで、海鈴さんが?
「…え、あの、アレスは…」
「アレスなら、僕の御使いに出掛けた。待っていたのが僕じゃ、不満だった?」
「そ…んなこと」
ない。いや、寧ろ嬉しいけど、恥ずかしく無意識に視線を反らすと海鈴さんは窓際から飛び降り私に近付く
「嫌な顔じゃないね。良かった」
「…っ」
「グレンは寝たかい?」
「あ、はい。ぐっすりと」
「そう。良かった。なら、僕たちも行こう」
スッと、綺麗な手を私に差し出し、色っぽく微笑みを浮かべられる
これは、手を握れ…って?
「あ…は、はい」
迷う理由なんかない。海鈴さんの手は優しくて、好きだから…
その手を握れば、彼は手を絡ませ勝ち誇ったように笑い歩きだす………けど
「え、あの、どこに行くんですか?」
海鈴さんが歩き出した方向は明らかに部屋とは逆
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