二重人格神様

繋がれたペット








ーーーーーーー…
ーー…




『いのり』



………


『いのり、私の話をよく聞いて』



…………ん


誰かの声が聞こえる


頭の中に響く…優しくて、暖かい声。


『…』


『いいかい?いのり』


誰なんだろう、この声…どこかで聞いたことのあるような…ないような不思議な感じがする





『…だれ…』


その不思議な声に耳を傾ければ、フワッと頭に何かが触れた



『…君は、彼にもっと取り入るんだよ』


……え?

彼?彼って、だれ?


『頑丈な鎖で結びつけ、これから先…ずっと守ってもらうんだ』


『…………』


『彼とヤツに愛されれば…君は大丈夫』


何を言ってるの?彼とヤツに?


『それは…だ、れ?』


『君の傍にいる彼らだよ。そして、いつの日か、彼らと私のもとにおいで、待っているよ。その時を』


『…っ』




あ…まっ、て…



声がだんだんと遠くなっていく







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