二重人格神様






おじさんとおばさんの間には男の子供しかいないから


女である私が可愛いんだって、おばさんとお父さんは言う



実際…本当に、可愛がってもらってるし



「しかし、もし次に会ったら言うんだぞ?追い払ってやる!」


「あ…はは、わかった」



「…ふふ!相変わらず、心配性なんだから」


「……え?」



慣れ親しんだ声がし、振り向くとおばさんがニコニコしながら立っていた


「あ、おばさん!」


いつのまに、いたの!?


「なんだ、来ていたなら声をかけろ」


「ごめんなさいねー。あまりにも、面白い会話だったから」



病室に入ってくるなり、鞄をおき椅子に腰をおろす


「面白くなんかないぞ!真剣なんだ!」



「あー、はいはい。わかったわかった」



軽くあしらうおばさんにおじさんはムッとしたのか布団を引っ張りバサッと頭からかぶりいじけてしまう



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