二重人格神様
「はい、どうぞ」
「あ、ありがとうございます…」
「いーえ」
「さて、じゃあ…落ち着いたところで少し話しをしようか」
手をパンっと叩き、彼は片手を腰にあて私に近付く
「あ、ところで…僕のことは分かるかな?」
「あ…龍神…様…ですよね?」
「うん。良かった。あぁ、分からないことがあるだろうから言うけれど、これが僕の本当の姿。キミと出会った時は仮の姿だから」
「……」
仮の姿…そうか。だから、あの時となんとなく違うんだ
「それで、あ…そうだ。その前に僕の名前は海鈴(海鈴)。彼がフェイラン」
「………はい」
やっぱり。海鈴様なんだ…
「ちょっと待ちなさい。"彼"じゃなくて"彼女"でしょ」
「そうだっけ?まぁ、好きなように呼んでかまわないから」
「…あ…はい…」
フェイランさんの言葉を完全に無視し話を続ける
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