二重人格神様

「それでね、キミを襲った彼らなんだけど…」



「…神様、なんですよね？」


「え？どうして、それを」


「その…わたしを襲ったうちの一人が…教えてくれたんです」



私の言葉に、二人は顔を見合せ首を傾げる


「彼らが、かい？」

「はい」


「あぁ、そうか。まぁ…それなら話しは早い。それなら、狙われてる理由は？」


「あ…いえ…それは、知りません…」


「分かった。実はね…キミが僕の花嫁になったって誤解されてしまったんだ」


「………え？」


「キミを誘った時、話を聞かれてしまった。それでそれを気に食わない彼らがキミを襲ったわけ」


そ、んな。あれを聞かれて誤解されたから？だって、私は断ったのに？



いまいち納得出来ない内容に眉を潜めるとフェイランさんが笑う



「ふふ、海鈴様…大事なことが抜けてるわよ」


「……え？」


「いいんだよ。今は要点しか伝えないほうが事がはやい。それで、いのりちゃん」


「は、はい」


「彼らはね、とにかくしつこいんだ。あれだけ言っても多分またキミを襲うだろう」


「…そんな」


そんなの困る……って、そうだ



不意に、あの謎の男が言っていた"海鈴様に助けてもらえ"その言葉を思いだす



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