二重人格神様



「…ほら…起きて」


「…ん」


私の目の前に手をおかれ、もう片方の手が私の髪の毛をさわる



ん…おば、さん…


「おばさん、だから、まだ眠い…」


「だめ、起きてくれないかな」


「…んっ」


い、や…まだ、眠いのに…


「あと、5分だけ…」


「だめだよ。てか、本当にいい加減に起きないと…このまま、襲うけど」

…………え?

「もう…おばさん…さっきから…なにを言って…って………え」



瞼をあけ、おかしなことを言うおばさんをみれば、私を押し倒すような体勢でニコリと笑う男性



「な…なっ」


その姿と体勢に一気に目がさめ顔が赤くなる



「やっと、起きた。おはよう」


「あ…あ」

「意外に朝が弱いんだね、いのりは」


「…い…」

「え?」



「い、きゃっぁ……ぐふっ!」


「叫んじゃだめ」



叫ぼうとした瞬間、口を塞がれ悲鳴が口から出なくなる




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