不思議電波塔
ケファウルは港町である。町に着き船から降りたユニスは歩き始めた。
船から降りるまでは守護精霊のユリエが姉のふりをしていてくれたため、怪しまれることはなかった。
ユリエはユニスが心配であったが、ユニスはしばらくひとりでも大丈夫だからとユリエに眠っているよう頼んできたため、主人の言うことを退けるわけにもゆかず、ユリエはユニスに従い姿を消すことにした。
ユリエの他に供をつけなかったのは、守護精霊がひとりでもいれば、その主人の身の回りのことは大抵精霊ひとりで事足りてしまうからである。
また、従者をつけて出歩くとかえって狙われる可能性もあったため、ユリエの方からユリウスに「ユニス様のことはお任せください」と申し出たこともあった。
ユニスはアレクメスの王宮を目指して歩いていた。
「国に何かあれば、そなたはニノン様のもとを訪れよ」とユリウスが言っていたのである。
飛空魔法も使えるようになっていたが、ユニスは魔法は極力使わなかった。
そういった力は際限なく使い始めると身体を病むことにもなり、命を削ることにもなるからと、ユリウスに厳しく言われていたからである。
実際、ユニスは魔力が並み外れて高く、その弊害で体調を崩したりすることもよくあったため、ユリウスの言っていることはユニスには身を持ってわかることだったのである。
ユリエはユニスに「疲労しない程度にでしたら魔法を使ってもよろしいのですよ」と助言をしたのだが、ユニスは目の前で魔導の力同士の応戦も見てきているからか、魔導の力に恐怖心を抱いてしまったようであった。
ユニスが向かう方角はネムフェリウとは逆の方向、アレクメスの首都ハリスモンドであった。