不思議電波塔
ユニスが目を醒ますと、レミニアの手に抱かれていた子がユニスのそばにいた。
「お兄ちゃん、起きた?」
小さな顔に好奇心を浮かべ、ユニスを見つめた。
名は何と言ったか──。
「イレーネ?」
「はい」
イレーネが手をあげた。
「あら、起きたのね」
イレーネの無邪気な返事を聴いていたレミニアが振り返った。
「お兄ちゃん」
小さな手に絵本を持っている。ユニスについ、と差し出した。
「え?読むの?」
「読む」
ユニスは困ってしまった。ユリエが気遣い、声をかけてきた。
「マスター、読めますか?」
「…はい」
表紙を見るとやさしそうな絵本だった。
ここ半年くらいの間に、ユニスはノールに教わって文字が読めるようになっていた。
ノールは本が好きで、ユニスにいろいろな本を読んでくれたのである。
ユニスはそのまま絵本を読みはじめた。イレーネはそれを聞き始める。
レミニアが立ち上がった。
「食事を持ってくるわね。そういえば名前はどう呼んだらいいのかしら?」
「ユニスでいいんじゃないのか?俺たちが連れているなら同じ国同士の者にしか見えん」
イレーネは銀髪、レミニアは丁子色の髪と、エレシアも含め淡い色素の髪色をしていたため、確かにユニスとは同じ国の者ではないかと思わせた。
夜になっていた。
ユニスのそばにいてくれる人がいて良かったとユリエは思った。
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