天使の瞳
もう、夏休みも終わろうとする時だった。
ピンポーン…と鳴った昼過ぎ。
玄関に向かうその足は異様に重かった。鉄でも縛りつけてあるんじゃないかってくらいに思い足を玄関に向かわせ、ドアを開ける。
その隙間から顔を出したのはタク。
「音羽、ちょっと来い」
「いい、行きたくない」
即効に素っ気なく返したあたしはドアを閉めた。…と言うよりも閉めようとしていたドアの隙間にタクが足を入れ込んできた。
「いいから来い」
「タク、足どけて」
「マジで来い。大事な話がある」
そう真剣な目で言って来たタク。
そのいつもと違うタクの目付きに渋々閉めようとしていた手の力を緩めた。
とりあえず化粧をして服に着替えた。そして車に乗り込んだあたしは行き先も何も聞かずにただボンヤリと外の景色を眺めてた。
カチッとなるライターの音。
あたしの目の前をタクが吐いた煙草の煙が横切った。
しばらく走って見えてきたのは学校。
何で学校なんだと思いつつも、あたしはタクに何も聞かなかった。
車から降りて行く途中、運動場で部活をしている人達が目に見えた。そして向かった先は図書館。
また何でと言う場所にタクは入る。
めっちゃ広いと言う図書館は夏休み開放の為、生徒達が結構いた。
「あ、拓斗!」
そう声が聞こえて向けた先には何故か千穂が居る。そして晃くん…
そして見た事のある女の先輩と男の先輩。見るからにヤンキーだ。
たしか、去年の卒業生。