天使の瞳
「音羽に近づいている霊が分かったの」
座った瞬間、とんでもない事を言いだす千穂の声にドクンと慌ただしく心臓が動いた。
バクバクと異様にする胸騒ぎ。
なんだろ、この感じ。
ギュッと握りしめた手の平からじんわりと汗が噴き出してきたのが分かる。
「音羽が気になって気になってしたからさ、先輩達に調べてもらったの」
千穂は先輩達をみながらそう言った。
「つか、誰なん?」
そう何気なく言ったタクにキッと先輩はタクを睨んだ。
「そもそも拓斗くん?アンタが原因なんやから」
「は?俺?」
そう言ったタクをあたしと千穂、晃くんが一斉に目を向けた。
タクは“何で?”って表情で先輩を見る。
…タクが原因?
「お前、キミカって女知っとるやろ?」
不意に聞こえた男の先輩の低い声。
「…キミカ?」
タクは思い出すかの様に顔を顰め、首を傾げる。
「通称…K。この学校を卒業する女やった」
話が見えない先が何だか怖く感じて来た。
ざわざわする図書館。多分、ここを選んだのも、あたし達だけにならない様にと、思った先輩達の気遣いなんだろうか。