天使の瞳

どれくらいか分からないくらい目を瞑ってた。

隣からは歩夢の寝息の声が聞こえる。


スヤスヤと眠っている歩夢に対してあたしは一向に寝つく事が出来なかった。

時々何度か目を開けてみたけど、怖くて怖くて寝る事もなく思い出したくもない今日の出来事が頭を過ると自然と身体が震えてたのが分かった。

結局そんな状態で朝を向かえてしまった為、頭がガンガンと痛み右肩が異様に痛くて重く感じた。


その日は一睡もしてない所為か簡単に眠りにつく事が出来た。


だけど。


「…何これ」


そう呟いたのはあの日から3日後の朝。

目を開けると寝ていたシーツが血で染まってた。


異様な胸騒ぎと嫌な予感。

恐る恐る手に目を向けると、縫った傷口からまた新たに血が出てた。


何で?どうして?

縫ってんのに何でまた血なん?


茫然と見つめてたあたしは慌ててティッシュを取り手の平に当てた。


血は出てんのに相変わらず痛みなんてない。

混乱するあたしの頭とともにあれ以来続いている肩コリ。


自分の身体が今、どうなってんのすら分からなかった。

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