天使の瞳
繁華街を歩いて、タクが行きたいと言っていたサーフィンのショップに向かった。
物色しているタクをよそに、あたしは店内をグルグルと回っていた。
「なんか、いいのあった?」
暫くしてタクの近くに行ったあたしはそう声を掛ける。
「うーん…めぼしいもんがない」
「…そっか」
「次、行こか」
「うん。タクってほんま好きやな」
「お前、何かないんかい」
「えー…寝る事」
「お前、セックス好きなん?」
バンっと手を振り上げてタクの後頭部をおもいっきり叩いた。
「いってーなぁ!!」
顔を顰めたタクは後頭部を擦る。
「なんでそっち方向なん?訳わからんわ。しかもこんな人混みでそんな事言うな」
そう言ってあたしは頬を膨らませた。
「だって寝るって誰でもそう思うやろ」
「思わんわ!!タク、ほんまエロイねん!だから女にすぐ振られるねん」
「いやいや、前にも言ったけど俺からやから。それに、いいよって言われな俺せーへんし」
「あっそ、このドエロ」
隣でクスクス笑うタクに呆れたため息が落ちる。
ブラブラと道沿いにある店に目をやって歩いている時だった。