天使の瞳

「じゃあ、また…」


そう言って軽く頭を下げた女の子にあたしもつい、軽くお辞儀をしてしまった。


「彼女って言うのやめて」


姿が見えなくなった後、あたしはタクを見上げて頬を膨らました。


「だって面倒くせーんやもん」

「誰なん?合コンの子?可愛い子やん」

「さぁ、知らん」

「え?知らんって、さっき分かった分かったって言ってたやん」

「ううん、分からん」

「タク、サイテーやな」

「お前な、ごめんわからんって言う方が傷つくやんけ」

「けど…」

「もう会わんからええやろ」

「でも、またって言ってたよー」

「俺にまた、はない」

「あ、そう。それにしてもタクヒドイは!!外見だけって何なん!?」


さっきの事を思い出してしまったあたしは、また頬を膨らませた。


「いや、男としてやで。男として。お前はな、外見めっちゃ綺麗やねん。俺でも思う。でも、中身がアカンねんなぁ…やっぱ女は中身やろ」

「何なん!!めっちゃムカツクし、嬉しくないわ!!つか、タクだって人の事言えんから!!」

「まぁまぁ、怒んなや。なんかジュースでも奢ってやるから」


そう言って目の前に見えたカフェに、タクはあたしを連れ込んだ。

汗ばんだ肌が一気にサラサラになる。この涼しい快感が幸せだと思ってしまうくらいだ。





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