天使の瞳
「ちょっと、まってタク。なんでそーなんの?」
「なんつーか…。前に俺…音羽の事無理って言ったやん?だから音羽、違う奴とヤったんかな…って」
唖然としてタクを見てしまった。
ホント…馬鹿。
「あたし今、男居ない」
「男おらんくても他の奴と出来るやん」
「つか、あたし…タクと違ってしないから」
「音羽、そこ違う。俺を変な目で見んな」
「だってタク、エロイもん」
「まぁ、男やし…」
「つか、誰ともヤってへん!!」
ちょっと強調する様に声を上げた。
そもそもあたしが誰とヤろうがタクには関係ない。
タクが誰と寝よーがそんなん関係ないし、気にもならん。
「んじゃあ、病院行けよ」
「…うん。そうやな」
“タク、あげるわ。もういらん”
そう付け加えるかのように、あたしは持っていたペットボトルをタクに渡した。
「大丈夫ー…音羽?」
さっきまで座ってた場所に腰を下ろすと、千穂は心配そうな目で見る。
「うん、大丈夫」
「本間、なんもいらんの?」
「うん」
そう呟くあたしに千穂は少し唇を尖らした。