鬼龍‐金色の覇者‐



姫蝶は自分の事を理解っている。


容姿や体格は両親譲りでモデルや女優並みだし、性格は逆にきつい方だ。


だから男女ともによっぽどでない限り〝喧嘩〟と付くもので負けたことはない。



『さっきから聞いてりゃあ、人が言い返さない事を良いことに言いたい放題言いやがって。ふざけんなよ。別に私が匡に近付こうが関わろうが、テメェ等には関係無いだろうが。それになぁ、さっきから香水と化粧の匂いが混ざって臭いんだよ。そんだけしないと人前に出れないのかよ。ブス。』


「「「………っ!?」」」


「…言い過ぎだ、バカ。」



キッパリスッパリ言い切ってやると固まった女の後ろから現れた、迎え。


呆れているのが顔に出ている。



『匡が遅いからだ。』


「どの口が言ってんだ。転校初日に遅刻した挙げ句、迷子になってるヤツが。」


『広すぎるんだ、ここ。』



未だ固まったままの女達を放っておいて、姫蝶は携帯をポケットに入れ鞄を持って立ち上がった。




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