鬼龍‐金色の覇者‐


「手応えねぇ…。」



昼過ぎにも関わらず薄暗い裏道に佇む金髪の男。

体格が良く身長も190センチくらいある男――上条茨輝(カミジョウシキ)――は悲しげにその場にしゃがみこんだ。



「茨輝ー。」

「あ゛?」

「何か藤夜が帰って来いってさ。」

「めんどくせぇ…。」



茨輝の後ろに立っている黒髪で左の横髪に緑色のメッシュの入った男――鷹成龍(タカナリリュウ)――は黒い携帯を片手に、茨輝に告げる。

茨輝は龍の言葉にげんなりとしてから立ち上がった。



「で、何処に居るんだ?」

「学校だってさー。何か藤夜の後ろで秋が煩かった。」

「は…?つか、まだ学校かよ…。」



だる気に歩きはじめた茨輝の後ろを龍が携帯を弄りながら付いていく。

暫らく歩くと二台のバイクが停めてあり、二人はそれぞれ自分のバイクにまたがる。



「あ、秋からメール来た。」

「何だって?」

「えーと…、…女ァ!?」

「あん?ワケわかんねぇよ。」

「ままま、匡が女、連れて来たって!?…あ、写真が付いてる…。」

「!匡が女を連れて来た!?」





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