ましゅまろハート
入学式なんか

最後まで出る気になんかならない。


俺とヤナは厳かな雰囲気の中、

ひっそりと小声でやり取りしてから、

でかい身体を小さくして

こっそり式を抜け出した。


「はー、あんなのマジ、ダリィ」


「だよなー」


式が行われている

体育館の周辺を見渡すと、

俺らと同じ考えなのか

結構な人数が抜け出していた。


「なぁ、タク」


「ん?」


ヤナの方を見ると、

何か企んでいるのが丸分かりの

締まりのない顔をしていた。



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