ましゅまろハート
どうやって

ここまで帰ってきたのか、

正直よく覚えていない。


気が付いたら

俺は家の玄関を開けていた。


大学から家まで

片道2時間も掛かるのに、

一体、俺はどうしたんだろう。


きっとその間、

周囲から滑稽な目で

見られていたのだろう。


いや、

そんな目すら

なかったのかもしれない。


これで何度目かの

溜息を吐き出した。


鉄くずのような身体を

どうにか鞭打って動かす。


「タク、何、帰ってきてたの?

 だったらちゃんと

 “ただいま”の一言ぐらい

 言いなさい」


台所から母親の小言が聞こえる。


いつもなら言い返すのだが、

今の俺にはそんなエネルギーも

ない。


無言で俺の部屋へと

階段を上った。



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