ましゅまろハート
「……あん時だけ、

 だったのかな……」


目をゆっくりと開けながら

ぽつりと呟く。


もしかしから彼女は

あの時だけの

臨時バイトだったのだろうか。


そうだったとしたら、

彼女と再会できる機会は

限りなくゼロに近い。


「そんなワケ、ねぇ!」


見えない何かに

対抗するかのように叫ぶと、

俺は勢いよくベッドから起きた。


きっと彼女はあの大学にいる。


あの構内のどこかでまた逢える。


そう自分に言い聞かせると、

ふと俺の中で

一つの案が思いついた。


「……そうだ。そうしよう」


大学では絶対に後悔をしたくない。


後悔しないためにも、明日、

その案を実行に移す事を

俺は静かに心に決めた。



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